革新的衛星技術実証4号機 実証テーマ

超小型宇宙機用インテリジェント電源ユニットの軌道上実証

株式会社大日光・エンジニアリング

開発事業本部 設計開発部 柴田 克哉(写真左)

開発事業本部 設計開発部 末永 将善(写真右)

超小型宇宙機に搭載するバッテリのステータスデータを取得し、バッテリの劣化具合や異常を軌道上でいち早く検知することが可能なインテリジェント電源ユニットの軌道上実証を行う柴田克哉氏と末永将善氏に革新的衛星技術実証プログラムへの応募のきっかけや今後の展望について伺った。

- ご自身の業務内容について教えてください。

末永  民生用/産業用電源のOEM開発業務を主に担当しています。最近は様々な機器に搭載するリチウムイオン二次電池を用いたバッテリ電源の開発を行う機会が多くなりました。

- 今回、革新的衛星技術実証4号機に応募されたテーマの概要と今回の実証を通じて期待する成果を教えてください。

末永  弊社では、革新的衛星技術実証2号機で帝京大学の『多目的宇宙環境利用実験衛星TeikyoSat-4』(50 kg級)に搭載するバッテリ電源の一つを開発したことをきっかけに、キューブサット用バッテリ電源の開発にも着手していました。同時期にバッテリ内部状態の推定技術に関する共同研究等も行っていたため、これらを掛け合わせることでバッテリの劣化具合や異常を軌道上でいち早く検知することが可能な「インテリジェント電源ユニット」が提案できるのではないかと考えていました。

ちょうどそのタイミングで本プログラムの公募が始まることを知り、コンポーネントとしての実証と宇宙機システムとしての実証をトレード・オフした結果、自らキューブサットを開発し、検知だけでなく通知まで可能な「バッテリ異常検知システム」も構築して技術実証することにしました。

今回の実証では超小型宇宙機(自社衛星)の実運用を通して、バッテリ電源に搭載されたリチウムイオン二次電池の健全性をリアルタイムで監視し、故障が発生する前に予兆の検知、バッテリの寿命予測を可能とするデータを取得することを期待しています。

Mono-Nikko
フィットチェック前の準備の様子

- 革新的衛星技術実証プログラムへの応募動機を教えてください。

柴田  打上げまでの調整等に要する労力を鑑み、弊社としても少なからず経験があり、国内での打上げ機会が得られる本プログラムに応募しました。

- 開発において苦労した点、克服するための工夫などあれば教えてください。

柴田  弊社主体の衛星開発プロジェクトであったため、開発体制の構築、開発資金の調達・管理、衛星システムや業務分野外の部品・コンポーネントの設計・開発、官辺申請手続きなど初の取り組みが非常に多く、限られたリソースの中でプロジェクトを遂行することに苦労しました。

また、衛星構造と機構部品は海外から既実績品を調達する予定でしたが、細かい仕様や納期が合わず自分たちで設計・製作することになり、開発要素が増える結果となりました。

- 実証後の展望(次の研究開発や事業計画等)をお聞かせください。

末永  今回の実証で獲得した技術を宇宙分野・地上分野問わず今後開発する製品に応用し、バッテリ電源の信頼性向上及びメンテナンスコスト削減に役立てて行きたいと考えています。

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