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B. 軌道上サービス分野自在なRPO技術と推薬補給技術による
宇宙ロジスティクス革新

宇宙活動の持続的発展には、安全かつ効率的な「軌道上サービス」や「輸送インフラ」の確立が不可欠です。本研究は、自在なランデブ・近傍運用・ドッキング(RPOD)技術と推薬補給技術をコア技術として、軌道上での物流やサービスの新しい形を切り拓き、宇宙ロジスティクス革新を目指します。

研究の意義価値

  • 宇宙デブリ問題の解決と、安全な軌道利用の拡大に貢献。
  • 民間事業者による軌道上サービスの商用展開を後押しし、国際競争力を高める
  • 長期的には「宇宙の物流インフラ」を形成し、宇宙における探査・利用・産業の持続的発展を可能にする。

軌道上サービス技術実証プラットフォーム(SATDyn)

研究の目標

  • 協力的・非協力的ターゲット双方への高度なRPO技術を確立し、デブリ除去や衛星サービスに貢献する。協力的ターゲットへのRPOについては、標準I/Fに基づくより高度な自律化を実現するとともに、RPO技術の国内プレーヤーへの普及に貢献する。
  • 軌道上推薬補給システムの評価技術と基盤技術を整備し、商用利用を促進する。
  • 再使用可能な軌道間輸送機に必要な要素技術(軽量化・長寿命化)を獲得し、将来の宇宙輸送網を支える。
軌道上推薬補給システム技術評価設備
(供給系加圧系統)
軌道上推薬補給システム技術評価設備
(推薬タンク模擬)

参考情報

ドッキング時の帯電対策運用に貢献する帯電検出手法の考案

JAXAは九州工業大学と共同で軌道上において人工衛星に帯電が発生するタイミングを予測する技術の研究を行っています。

JAXAは九州工業大学との共同研究において人工知能(AI)を用いて約19年間にわたる人工衛星の観測データを解析し、衛星表面の帯電現象を自動的に検出する手法を考案するとともに、人工衛星が帯電しやすい宇宙環境の特徴を明らかにしました。人工衛星が強く帯電すると、衛星表面の場所によって電気のたまり方に差が生じ、大きな電位差ができることがあります。この電位差が大きくなると、衛星表面で火花のような放電が発生し、太陽電池や表面材料を損傷したり、衛星の正常な運用に影響を与えたりする可能性があります。本成果は、人工衛星が強く帯電する宇宙環境をより正確に把握し、将来的な衛星の帯電・放電リスクの予測や、宇宙環境による衛星故障の回避につながることが期待されます。
人工衛星の修理や補給等のメンテナンスを行う軌道上サービスでは、対象の衛星がどのくらい電気を帯びているか把握することは大変重要であり、なるべく電位差の少ないタイミングでメンテナンスを行えるよう、JAXAでは今後もドッキング時の帯電対策運用に向けた研究開発をさらに進めていきます。

2026年10月27日に本研究成果が米国の学会American Geophysical Unionが発行する学術雑誌「Space Weather」に掲載されました。

論文情報

タイトル:Development of an Automatic Detection System for Satellite Surface Charging Using DMSP Observation Data and Investigation of the Surrounding Plasma Environment
著者名:Hayato Masuno, Mariko Teramoto, Daichi Araki, Yusuke Iida, Akitoshi Hanazawa, Kentaro Kitamura, Teppei Okumura, Hiroyuki Okamoto.
DOI:https://doi.org/10.1029/2026SW004944