研究紹介

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大気突入・降下・着陸および回収(EDL&R)技術の研究支える研究

本研究では、大気突入システムや月惑星探査に用いる離着陸システムに関わる課題に対して、JAXA横断的な体制を構築して知見を共有し、課題解決スキームを提供し、現在開発中のプロジェクトを技術面で支えることを目的としています。また同時に、将来の先進的なサンプルリターンミッション、高頻度で継続的なフライト実証機、火星探査ミッション等に必要不可欠な共通基盤的技術を強化し、新しい価値を創造する宇宙ミッションを創成することを狙います。

左)サンプルリターンカプセル  中央)有人帰還機  右)火星着陸技術実証機

研究の意義価値

EDL&R技術はJAXAのコアコンピタンスの一つであり、その高い国際競争力を維持・発展するべきと考えています。しかしJAXAにおける大気突入ミッションの頻度は高いとは言えず、着実な技術の継承と発展が難しい一方、近年はシステム要求が複雑かつ多様化し、解決すべき課題も増大しています。本研究と、これを実施する横断的な体制は、JAXAがこれまで培ってきたEDL&R技術の知見を着実に継承・発展させ、現在開発中のプロジェクトを技術面で支え、また新しい価値を創造するEDL&Rミッションを創成すると期待されます。

研究の目標

本研究は、図1に示すとおり、12の課題から構成される共通基盤技術の高度化のための研究と、主として3つの宇宙探査ミッションに関わる将来EDLシステムの検討から構成されています。各研究課題の目標は、それぞれ以下の通りです。

図1 本研究を構成する課題

EDL&R共通基盤技術の高度化

宇宙基本計画、国際宇宙探査ロードマップ、および宇宙科学探査ロードマップ等を踏まえ、現在および将来のEDL&Rミッションを支え、また新しい価値を創造する宇宙ミッションを創生するために必要な12項目のEDL&R共通基盤技術(図1の上段①~⑫)を重点的に発展させ、個々の技術課題が掲げる目標を達成します。

先進的SRCシステムの研究

先進的サンプルリターンカプセル(SRC)技術を獲得するために、米国との共同提案の彗星サンプルリターン計画であるCAESAR(図2)のSRCをリファレンスモデルとして、その要求を満たすシステム設計を行い、全機 BBM を開発して成立性を実証します。CAESAR SRCは、現時点で想定しうるSRCの究極形です。先行検討(概念設計)で抽出されたクリティカル技術課題に集中的に取り組み、その結果をシステム設計にフィードバックします。

図2 CAESAR SRCサブシステムの概念図

高頻度で継続的なフライト実証機の検討

HTV搭載小型回収カプセルで培った再突入・回収カプセルのシステム設計技術を継承・発展させ、国際宇宙ステーションを含む地球低軌道の利用拡大に資する、高頻度で継続的な再突入・回収システムの構築を狙います。現在、高頻度型の回収カプセルとして図3に示す2種類の形態を候補として検討しており、本研究ではFY2020までに実施した検討結果をベースとして、プロジェクト立ち上げに向けたシステム検討を加速します。

図3 高頻度型回収カプセルの概念図

将来火星探査アーキテクチャの検討

宇宙基本計画工程表に記載された重力天体離着陸技術の獲得の一環として、国際宇宙探査ロードマップと先導研究・宇宙探査技術の研究戦略を踏まえ、MMX 後の戦略的火星探査(JSMEP)の実現のためのアーキテクチャの検討と主要技術の研究を推進します。特に、国際Mars Ice Mapper を含む国際協働探査などに適合した火星探査着陸実証機(図4)のアーキテクチャの概念検討を行い、プロジェクト立ち上げに向けたシステム検討を加速します。

図4 火星探査着陸実証機の一例

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