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A. 衛星通信・測位・観測分野刷新衛星システム研究

本研究は、ソフトウェア化され高機能計算機を搭載した異種複数の衛星が高度に連携し、ユーザが求めるサービスや情報をタイムリーに提供できる技術を開発することを通じて、日本の衛星ビジネスの競争力獲得を目指しています。

国内の自動車・航空業界等においても同様の技術刷新に取り組んでおり、これらの業界で獲得された成果を最大限に活用するとともに、技術進展の速度に対応するため、技術開発・実証を短期間で繰り返すアジャイルアプローチで研究を進めます。

同様の取り組みは海外でも行われており、日本のサプライチェーンの産業力強化に貢献するため、基盤となる技術は協調領域として情報を公開し、必要に応じて標準化を進めます。また、日本独自の規格にならないように、海外の規格との互換性を考慮に入れて進めていきます。

研究の意義価値

衛星自体、衛星のミッション、衛星を用いたサービス刷新・創出を目指すとともに、日本のサプライチェーンの産業力強化に貢献します。

研究の目標

(1) マルチオ―ビット間連携・運用技術研究

衛星やHAPS(高高度プラットフォーム)などのセンシングシステムと、そのセンシングデータを伝送するデータ中継衛星といったデータ中継システム、センシングデータからユーザ向けの情報に処理する高次処理システム、その処理情報をもとにサービスを提供するシステム、そしてこのサービスを受けるユーザ端末など、多岐にわたるシステムが相互に連携し、エンド・ツー・エンドで通信可能な、ユーザニーズの品質基準を満たすサービス提供を目指します。さらに、複数の衛星を効率よく運用するため、衛星運用システムの知能化(インテリジェント化)を目指します。

  • マルチオービット間を接続する再生中継器の検討
  • タスキング運用(マルチオービット間衛星の連携観測運用)
  • 衛星運用のインテリジェント化

(2) コンピューティングの高性能化・高機能化(ソフトウェア化)

高性能・高機能な計算機、ソフトウェア技術、およびクラウドコンピューティング技術を統合することで、打ち上げ前に固定されていた宇宙機の機能を、軌道上で安全かつ容易に書き換え・拡張できるようにします。
これにより、ミッションの柔軟性向上、多用途化、および高度化(例:オンボードAI処理、ソフトウェア無線など)を実現するとともに、宇宙産業への参入障壁を下げる世界の実現を目指します。

  • ソフトウェア定義化を支えるエッジコンピュータの開発
  • SAR画像を用いた衛星利用サービス刷新
  • オンボード画像化装置の研究
  • ソフトウェア定義技術を活用したコグニティブ無線の研究

(3) 衛星内アーキテクチャの刷新研究

ワイヤレス通信の実現により、衛星内設計時の配置自由度の向上、コンポーネント故障時や干渉状況に応じて、通信ラインを組み換えることでシステムとしての冗長性・信頼性の向上、ユーザ要求に応じた通信コンフィグレーションの柔軟な再構成を目指しています。


(4) 衛星開発プロセスのデジタル化

各社の衛星やコンポのインタフェース,モデル、および解析プロセスを標準化・自動化することにより,設計サイクルの高速化や次プロジェクトへの容易な再利用を促し,設計期間および設計検証期間の抜本的な短縮を目指します。
さらに、デジタルモデルを活用した開発により、バーチャル空間での設計検証を可能とし、検証完了次第、速やかにシステムインテグレート・試験へ移行できることにより,開発期間のさらなる短縮を目指します。その結果、日本の宇宙産業の国際競争力強化を目指します。

  • インタフェースの標準化
  • リアルワールドシミュレータ