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光通信機搭載小型衛星と光地上局間の光通信実験において自動捕捉追尾技術の実証に成功

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、JAXA入笠山光学観測所(長野県伊那市)の光地上局(60cm)と、シュトゥットガルト大学の小型衛星に搭載されたドイツ航空宇宙センター(DLR)通信航法研究所の光通信機との間の光通信実験(1.5㎛帯)において、自動捕捉追尾技術の実証に成功しました。

JAXAでは、将来の宇宙と地上間の高速光通信の実用化に向け、衛星からの微弱なダウンリンク光を光地上局の小型望遠鏡により受光し、画像処理技術により、その光を自動捕捉追尾する技術の研究開発を行ってきました。

今回の実験では、DLRとの共同研究注1 に基づき、JAXA光地上局(60cm)とシュトゥットガルト大学が開発、運用したFlying Laptop衛星に搭載された光通信機(OSIRIS-V1)注2 間で光通信実験を行いました。この実験では、光通信機(OSIRIS-V1)からの微弱なダウンリンク光を自動で捕捉後、高精度に追尾し、その受光を確認し、その結果、自動捕捉追尾技術を実現しました。

この自動捕捉追尾技術においては、JAXAが開発した画像処理技術を使い、高速で移動する飛翔体からの光を光地上局の追尾センサー(広角/挟角)を通して、判別、捕捉し、望遠鏡の方位角と仰角を制御することにより、その視野中心へ、誘導し追尾を継続する一連の処理を自動で実施する機能を実証しました。光地上局側では、従来に比べ入射開口の大きな特殊なファイバーと受信光を増幅する仕組みを取り入れるなどにより受信システム全体の小型化を実現しました。

宇宙と地上間の光通信技術は、周波数帯域等の制限を受けない大容量かつ高速な通信手段として商用衛星による高速通信や、月・惑星ミッションの高速通信での活用が期待されています。
今回実証した技術は、光地上局の受信システムの小型化、それらに伴う操作面等の運用負担の低減により、今後の技術の活用拡大に寄与することが期待されます。また、高速で移動する飛翔体からの光を自動で捕捉、追尾できるため、他用途にも展開が考えられます。
今後も、双方向光通信等を含めた必要な技術獲得に継続して取り組んでまいります。

JAXA光地上局の受信系概要(簡略図)
注1:
JAXAとDLRは、光直接通信の分野における協力に係る実施取決め(2019年)に基づき、宇宙-地上間の光直接通信システム実現のための基礎技術(追尾・伝送)に関する共同研究を実施しています。今後、本実施取決めによる実験結果等の共有等と将来実験の検討を進める予定です。
注2:
光通信機(OSIRIS-V1)は、シュトゥットガルト大学のFlying Laptop衛星に搭載されたDLR通信航法研究所が開発する光通信機(OSIRISシリーズ)の一つです。

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