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プロジェクト等
小型技術刷新衛星研究開発プログラム
Agile Research Program for Advanced Technology in Satellite Service and Process

本プログラムは、衛星利用サービスや開発プロセスを刷新する技術を、小型・超小型衛星等を活用して、アジャイルに開発・実証を行うプログラムです。

本プログラムでは、官民で活用可能な革新的・基盤的な衛星技術を早いサイクルで実証し、我が国の衛星利用サービスの競争力向上や新たなユーザニーズの創出を目指します。
また、衛星システム開発・製造方式について、デジタル技術も活用して刷新することに取り組み、衛星の短期開発・低コスト化を目指します。

News & Topics

プログラムの目的

10年先、日本が世界トップレベルのコストパフォーマンスを持つ衛星利用サービスを享受していること
そのために国際市場で競争力を持つ衛星技術を、新規企業参入も促進し構築すること
【対象領域】衛星システムレベル技術 の研究開発、実証及び成果の活用促進
① アーキテクチャ、② 設計・製造及び運用プロセス等)
今後10年で急成長が見込まれる地球観測分野を中心に、競争力のある技術・企業を産み出す
デジタル技術を適所に取り入れ新技術・コンセプトのアジャイル開発・実証できる仕組みを構築する
コンステレーション能力(情報のレイテンシ、カバレッジ等)を向上させるための、基盤技術を獲得
宇宙市場の拡大・競争の激化
世界の宇宙産業(地上設備、衛星サービス)の規模は堅調
地球観測分野は、衛星の小型化・多数化、AI解析によるアプリケーションの拡大により、今後10年間で2倍の成長が見込まれる※1
技術刷新への期待
「進度の早い先端技術」「開発期間の短縮」「省エネや低コスト化に繋がる新開発方式」を官民双方の衛星に随時取り入れ、失敗を恐れずタイムリーに実証を繰り返す
衛星システム及び開発のデジタル化は宇宙基本計画の重点課題※2
コンステレーションへの対応
多数の小型衛星を「互いに連携」させ、災害時の被災状況の迅速な把握等を可能とする、日本独自の小型衛星コンステレーションを構築するなど、基盤技術の開発を推進※2

中間目標(2026年頃)~3つの目標とアウトカム~

本プログラムは宇宙基本計画にて2032年を終了としているが、宇宙事業を取り巻く環境変化が激しいため、2026年に中間目標を設定し、プログラムを推進します。
01
質の異なる新たな衛星利用
サービス構想を実証する
衛星サービスの拡大・進化の基盤となるサービスのコンセプト実証・実験を、将来発展・活用の意欲のある企業・組織と共に実施する
刷新P技術を活用した衛星サービスを実施する国内事業者が存在する
02
衛星システムのソフトウェア化
技術を構築・実証する
アーキテクチャの原型を構築し、衛星間や地上との連携を自在に行う技術を軌道上で実証する
ソフトウェア化を支える衛星搭載計算能力の確保と、機能・性能の向上を可能とする開発手法を構築する
本技術に関連する新規事業者が、国内企業が複数参入する※4
※4 既存企業の新事業領域参入を含む
03
衛星システム開発へのDX*技術の適用・効果を顕在化させる
費用・期間並びに信頼性の要求を満足するDX開発・運用手法を実現する
*DX:Digital Transformation.モデルベース技術、シミュレーション技術など
衛星システム開発に関連する技術・スキルを持つ国内企業が多数存在する

刷新Pで取り組む研究課題リスト

研究課題(令和4年度時点) 研究開発の内容
1. 衛星のデジタル化(ソフトウェア化) 軌道上でのコンピューティング能力の拡大とこれらを活用した新たな機能の実現による衛星利用サービスの競争力の強化を目指す
1-1
軌道上エッジコンピューティングにおけるサービス環境の構築
オンボード処理能力向上(AI、連携)に向けたフレームワークの研究開発
観測データを用いたAIプログラムの試作
1-2
衛星のオンボード処理能力の拡張
海外商用ベースの計算機を改良設計
次世代オンボード処理の研究開発(予定)
2.衛星開発プロセスのデジタル化 衛星開発プロセスにデジタル技術を適用し、短期・効率的な開発などのプロセスの刷新を目指す
2-1
小型衛星コンステレーション事業の多種多様なミッションへの対応力向上とデリバリータイムの縮減
小型衛星事業者の多品種・短期開発へ向けた手法・ツール適用に関する研究開発
2-2
衛星開発へのMBSE/MBD等、デジタル開発手法の標準化に係る研究
異なる組織間で衛星開発情報をデジタルで繋ぎ、開発の品質と速度を向上させるデジタル開発手法の研究開発
製造、試験フェーズの短縮を目指したシミュレーション、3Dプリンタなどの製造技術適用に係る研究開発(予定)
3.衛星バス能力の拡大 ミッション運用の制約となる衛星バス能力を拡大することを目指す
3-1
小型衛星コンステレーション事業の観測能力の拡大に資する熱制御デバイス技術及びシミュレーション技術の獲得
高発熱機器に対する効率的な熱制御デバイスの研究開発、及び熱モデル・シミュレーションと連携した最適設計に係る研究開発
3-2
小型衛星コンステレーション事業の観測能力の拡大に資する電源系技術に係る研究(予定)

プログラムの特徴

  • 民間事業者、大学、研究機関等を結集して、将来のニーズを先取りします。
  • 革新的で野心的な衛星技術の開発テーマを設定し、体系的にプロジェクトを立案・推進します。
  • 短いサイクルの技術開発(アジャイル開発)を実践。失敗を恐れずタイムリーに実証を繰り返し、その結果や海外動向等を踏まえ、目標達成に向け必要があれば、適時・適切に軌道修正していきます。
  • 2024年度から少なくとも2年おきに軌道上実証することを予定しています。

プログラムの実施体制

  • 政府の「衛星開発・実証プラットフォーム」における技術戦略を踏まえ、重点課題 ・ 研究開発テーマを設定します。
  • 刷新Pとして設置した衛星DX研究会(DX研究会)、既存のワーキンググループなどの枠組みを活用して、民間事業者、大学、研究機関などの意見や提言をプログラムの活動に反映します。また、検討結果や研究成果を踏まえ政府へ提案していきます。
  • 地上での研究開発では、政府の技術戦略を踏まえ、JAXA及び企業・大学等と研究公募も活用しながら連携して推進していきます。
プログラムの実施体制の図
有識者検討委員会 [PDF:165KB]

衛星DX研究会

本プログラムにご賛同いただいた企業・団体の皆様と共に、衛星のデジタル化に向けた知見の共有・議論の場としての衛星DX研究会(DX研究会)を開催しています。

活動内容

以下の活動を通じ、衛星DXに向けた具体的な研究テーマの設定等について議論を進めています。

  1. 日本の衛星産業の産業競争力強化へ向けた衛星DXの全体目標の検討・設定
  2. 衛星DXに向け、本プログラムで取り組む具体的な施策の立案
  3. 衛星DXに係る最新の知見の共有、教育・トレーニング
    ※ 衛星DX研究会の事務局は、一般財団法人衛星システム技術推進機構(ASTEC)とJAXAで担っています。

衛星DX研究会の詳細はこちら

開催期間

本研究会は2022年2月にキックオフを行いました。
その後、研究テーマの設定や進捗共有等を行う全体会合と、研究テーマ毎にメンバを絞って集中議論を行う検討会を定期的に開催しています。

参加希望等のお問い合わせ

衛星DX研究会は、国内衛星メーカ、衛星サービス事業者、DXベンダなど、企業・団体の皆様にご参加いただき活動を開始しております。本プログラムにご賛同いただき、衛星DX研究会への参加を希望される民間企業・団体の皆様は、下記までお問合せください。

問合せ先:
刷新プログラム衛星DX研究会 事務局
e-mail:info-SASSHINP@ml.jaxa.jp
留意事項
  • 参加費用について:
    衛星DX研究会への参加費用(人工費、交通費等)は、原則、企業・団体様にてご負担いただきます。但し、DX施策の研究・実証を共同研究の形態で進める場合には別途調整させていただきます。
  • 情報の取り扱いについて:
    衛星DX研究会内でご提示頂く情報は、参加企業・団体間のみで共有し、第三者への公開は致しません。研究会内での共有が困難な情報については、必要に応じて、JAXAとNDAを締結することも可能です。