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先導する研究基幹ロケットの再使用化による
打ち上げコストの低減

将来の基幹ロケット再使用化に向けて、現在 JAXA - CNES*1 - DLR*2 間にて共同開発中の1段再使用飛行実験(CALLISTO)のフロントローディング研究活動として小型実験機(RV-X)を用いた研究を実施中です。

スペースシャトルの反省から、将来の再使用型ロケットには、使い捨てロケットとは異なる同一の機体を用いた短時間での繰り返し運用が求められます。RV-Xは垂直姿勢で打ち上げられた後、高度百メートル程度まで到達した後に垂直姿勢を保ったまま着陸する予定です。

我々はこの一連の垂直離着陸のシーケンスを短時間の間隔で高頻度に実施するための機体運用方法の確立を目指します。

*1 CNES:フランス国立宇宙研究センター
*2 DLR:ドイツ航空宇宙センター

研究の意義価値

RV-Xの研究活動は三菱重工業株式会社と共同研究で実施しているものであり、JAXAにおける過去の再使用ロケット技術研究の成果を最大限活かして研究活動を行っています。

諸外国で現在ロケットの再使用化に成功しているのは米国のみであり、日本も将来の基幹ロケットの再使用化に向けて全力で取り組む必要があります。ロケット再使用化の究極のイメージは航空機のように同一機体で高頻度にフライトすることです。 そのためには現在の使い捨てロケットの運用方法を大幅に変更する必要があり、RV-Xでその方法を確立することは将来の再使用ロケットの開発に向けて非常に重要なデータとなります。

機体概略図

研究の目標

RV-Xの確実な飛行試験に向け、研究の過程では様々なマイルストーンを設定しながら着実に研究を実施する必要があります。

第一次地上燃焼試験(2018年夏)

2018年夏に飛行試験に向けて重要なマイルストーンの一つである第一次地上燃焼試験を能代ロケット実験場で実施し、機体を運用する上での基本手順を確立すると共に様々な推力レベルでのエンジン性能の取得に成功しました。

第二次地上燃焼試験(2020年3月~2021年9月)

以下のデータ等の取得を目的とした第二次地上燃焼試験を4期(その1~その4)に分けて実施しました。

  • エンジン推力や推力方向制御機能等の基礎特性データ取得
  • 燃焼中の振動や温度環境データの取得や、地上設備の機能確認
  • 飛行試験に向け、実際の飛行を模擬したシーケンスでの燃焼や推力方向制御

飛行試験に向けて

現在、飛行試験に向け、機体改修と着陸脚による衝撃吸収特性や転倒防止特性把握のための落下試験などを行っています。

全機落下試験(落下前)
全機落下試験(落下後)