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プロジェクト等1段再使用飛行実験(CALLISTO)プロジェクト

宇宙への輸送コストを効果的に下げる方策のひとつとして、今まで使い捨てだったロケット第1段の再使用化を目指した研究に取り組んでいます。

取り組んでいる技術の中で、打上げから着陸、再使用までの一連の運用における重要技術(キー技術)として、誘導制御技術、推進薬マネジメント技術、エンジン再整備技術を識別し、CALLISTO(カリスト)と呼ばれる再使用可能な小型実験機の開発と飛行実験を通じて、これらの技術に関する知見を蓄積します。

このような日本独自の優位な技術を取り込みつつ、仏・独の宇宙機関との国際協力によって効率的に飛行実験を進めることを計画しています。

研究の意義価値

CALLISTO実験機の開発と飛行実験を通して1段再使用化のキー技術に関する知見を蓄積することは、将来の輸送システムに向けた我が国の技術基盤の維持・強化につながります。
また、将来的には、1段再使用化によって宇宙輸送コストが下がり、宇宙開発利用の拡大に資することが期待されます。
さらには、日本が主導的な立場で海外の宇宙機関と共同で飛行実験を行うことにより、我が国の国際的なプレゼンスが向上することも期待されます。

研究の目標

  • CALLISTO実験機の打上げから着陸までの一連の飛行を通じて、誘導制御技術および推進薬マネジメント技術に関するデータを蓄積します。高い定時打上げ確率を実現し確実な着陸を可能にするために、風などの不確かさに対して高いロバスト性を持つ 誘導制御技術の適用を目指します。また、世界最高水準にある日本の推進薬挙動に関する数値解析技術を検証し、さらなる精度向上を図るとともに、大きな姿勢変更を行っても確実にエンジンに推進薬を供給するためのタンク内部の構造の効果を確認します。
  • CALLISTO実験機の着陸から再飛行までの一連の運用を通じて、ヘルスマネジメント技術などのエンジン再整備を効率化する技術を試行するとともに、運用コストに関するデータを蓄積します。
  • CALLISTO実験機の開発と飛行実験を通して蓄積したデータに加えて、その他の要素研究の状況も踏まえて総合的な評価を実施し、1段再使用ロケットの取り組み方針を明確にします。
CALLISTO実験機の着陸時の形態
(主要諸元:胴体直径1.1m、全高13.5m、全備質量3600kg)