研究の意義価値
宇宙システムのエンジニアリングの変革のため、情報・計算工学技術を高度化し、設計・運用マージンの適切化、開発・運用計画の効率化を実現します。これにより、宇宙システムの効率的、迅速、低コストな開発・運用を実現し、また新しく価値あるミッションの創出を可能にします。
研究の目標
高度化/複雑化するミッションの成功と、開発・運用コストの低減、という2つの相反する要求に同時に応えていくため、特定のコンポーネントやサブシステムによらない、共通的な「開発・運用の方法論(=Engineering)」に着目し、 プロジェクトを支えながら、この変革に取り組みます。
革新設計・ミッション創出に向けた数値シミュレーション技術
流体、熱、燃焼、構造、機構等の物理領域を対象として、JAXAスーパーコンピュータシステム“SORA”を活用して、物理現象・メカニズム理解に基づくフィデリティの高い定量予測/推定技術を構築し、革新的な設計/ミッション提案・早期検証の実現に貢献します。
価値あるサービスの創出を目指したソフトウェアエンジニアリング技術
利用者の期待につながるシステム、新たな使い方に容易に変更可能なソフトウェアを実現することで、宇宙機(ソフトウェア・論理)の価値を高め、競争力向上に貢献します。
不確定性の高いシステムの信頼性を維持した状況下での自律性向上を実現する技術
ルール化の困難な不確定性の高いシステムにおいて、自律性を持った宇宙機の実現手段として、人工知能関連技術を利用するための基盤技術、あわせて、これらのシステムの信頼性を実現するための基盤技術を獲得します。
プロジェクト上流における複合モデルベースデザイン技術
未経験のミッションの達成を確実にするため、宇宙機システムを模擬するための複合物理モデリング技術や、複数のモデルを連携・連成させたシミュレーションによるシステム解析技術を獲得します。