研究紹介

観測データの解析手法

重ね合わせ法

重ね合わせ法は1枚の画像では検出できない非常に暗いデブリを検出する技術です。
2000年から研究開発を進めています。


移動天体検出の原理
移動天体検出の原理

移動天体の動きを仮定して多数の画像をずらして重ね合わせることで、1枚の画像では確認できない微光天体を検出します。この技術は、多数の小惑星の発見で実証されています。


重ね合わせ法による検出例 処理前(左)、処理後(右)
重ね合わせ法による検出例 処理前(左)、処理後(右)


移動天体検出ソフトウェア

JAXA研究開発部門が進める技術移転推進研究の一環として、当部門が所有する特許を実用化し、小惑星や人類の存亡に関わる地球接近天体等の新発見に大きく貢献する移動天体検出ソフトウェアの開発を行ってきました。

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線分検出技術

重ね合わせ法を補完する検出技術として線分検出技術を開発しました。


線分検出技術の概念
線分検出技術の概念


利点

あらゆる移動方向を想定する必要がありません。計算機の力に応じて星像候補数を調節できます。実際の観測に即適用できます。


線分検出技術を利用した検出例
線分検出技術を利用した検出例

6枚の連続撮影画像において候補付近の画像を並べた様子。17等の未知デブリ。
この技術は、このようなかなり弱いオブジェクトを検知することができますが、重ね合わせ法はより大きな能力を持ちます。



観測結果

JAXAは国際的なデブリ対策組織 IADC (Inter-Agency Space Debris Coordination Committee) のメンバーであり、IADC観測部会が提案するキャンペーン観測に参加しています。2008年3月~5月の10日間、キャンペーン観測に参加して88個のカタログ物体、39個の未知デブリを線分検出技術を用いて検出しました。



検出した宇宙物体の等級分布


検出した宇宙物体の軌道傾斜角と昇交点赤経の関係