研究紹介

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太陽電池パドルの研究開発

衛星のペイロード比率の向上に向けて、太陽電池パドルの軽量化(従来の約1/3)の実現を目指しています。

研究の概要

太陽電池パドルの大幅な軽量化に向け、ベースとなる太陽電池セルから見直し、従来型とは異なるタイプの軽量太陽電池パドルの研究開発を行っています。新型の軽量太陽電池パドルは、大きく分けて4つの新規開発要素 (①高効率薄膜3接合太陽電池セル、②セルアレイシート、③フレームパネル、④パドル機構)があります。
それぞれの概要について紹介します。

①高効率薄膜3接合太陽電池セル

現在宇宙用太陽電池の主流であるリジッド型3接合太陽電池セルよりも変換効率が高く(現行29.5%→薄膜32%)、また、薄いため曲げることができる特徴を持ちます。

②セルアレイシート

薄膜3接合太陽電池の柔軟性を活かしたセルアレイシートの研究開発を行っています。セルアレイシートには、耐宇宙環境性に優れるガラスアレイシートと、フレキシブル性を有するフィルムアレイシートの2種があります。

③フレームパネル

シート間を機械的・電気的に結合し、それを軽くて丈夫な構造のフレームに貼ることで軽量な太陽電池パネルが実現できます。現行のリジッド型太陽電池セルアレイは,太陽電池表面にガラスを貼り、 厚さ数センチのアルミハニカムパネルに接着剤で貼り付けますが、セルアレイシートの場合はシート裏面のアルミハニカムパネルが不要となり、パドルの軽量化が可能になります。

④パドル機構

打ち上げ時に太陽電池パドルを収納・保持し、打ち上げ後に展開させるための保持解放機構や、太陽電池パネル間を結合するヒンジなどの機構部品の軽量化も図っています。

以上の新規技術を組み合わせることにより、新型の太陽電池パドルは現行品に比べ、約3倍の質量出力比(質量に対する出力の比)を実現できる見込みです。

※薄膜太陽電池セルおよびセルアレイシートはシャープ(株)が、フレームパネルおよびパドル機構は日本電気(株)がそれぞれ開発しました。

研究成果(より詳細な研究内容)

軌道上実証試験

軽量太陽電池パドルの実現に向けた実証試験を実施・計画しています。

NESSIE(次世代小型衛星電源系要素技術実証システム)

惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)に搭載された実証試験装置NESSIEによって、ガラスアレイシートの軌道上の電気出力データを取得しています。

次世代小型衛星電源系要素技術実証システム(NESSIE)
SFINKS(HTV6号機搭載宇宙用薄膜太陽電池フィルムアレイシートモジュール)

宇宙ステーション補給機「こうのとり」6号機にフィルムアレイシートを搭載し、軌道上の電気出力データを取得する実証試験を実施しました。現状は こちらをご覧ください。

薄膜太陽電池フィルムアレイシートモジュール軌道上実証システム

TMSAP(軽量太陽電池パドル機構)

革新的実証衛星プログラム小型実証衛星1号機に軽量太陽電池パドル機構を搭載し、展開シーケンス及び電力供給の軌道上実証を実施します。