運用レポート

運用計画

2日間 クリティカル
フェーズ
打上げ
  • 衛星起動、分離、太陽電池パネル展開
  • 通信・姿勢・電力収支確立
  • 軌道決定
約1ヶ月間 初期フェーズ
  • 太陽指向三軸姿勢確立
  • 搭載機器チェックアウト
定常フェーズ移行前確認会
約5ヶ月間 定常フェーズ
  • 実験運用(フルサクセスまで)
  • トレンドデータ評価
定常フェーズ完了確認会
  後期フェーズ
  • 実験運用(エクストラサクセスまで)
  • 追加実験運用
  • トレンドデータ評価
成果報告会
 
 

後期フェーズ

2014年5月18日

なんと軌道上2周年を迎えることができました。

 

2014年4月19日

SDS-4運用体験

筑波宇宙センター春の特別公開にて「SDS-4運用体験&公開イベント」を実施しました。

実際に宇宙空間を飛んでいる人工衛星を、参加者自身で運用していただくことで、衛星運用の“リアル”を体感していただきました。

前回までの「SDS-4管制官体験」は実際の運用室で衛星運用体験していただくものの、使用するデータは管制官が訓練用に使用する過去の運用データでした。つまり直接衛星と通信しているわけではなく、“模擬体験”でした。しかし今年は、その場で本当に衛星運用をしていただきました。実際に “今”衛星が発しているデータを受信し、“今”参加者が送信した指令で衛星を操作しました。こちらは参加者が送信した指令で撮影した写真(Svalbard/Norway)です。


撮影したSDS-4からの写真(Svalbard/Norway)

WEBでの事前申込制とし、30人の募集枠に約170人の申込みをいただきました。

イベント後のアンケートでは、92%の参加者から「期待以上だった」との評価をいただきました。「刻一刻と変わる状況にワクワクした」、「文字情報だけでなくグラフもあって分かりやすかった」、「職員の方がかっこよかったです」などのコメントをいただきました。また「シンプルな手順書があるとミスを防げる」、「コマンド送信後にソフトウェアにリアクションがあるとわかりやすい」、「テレメトリはミッション情報のみを別出ししたほうが見やすくなる」など、建設的な改善提案も多く頂戴しました。これらは今後の運用システムの開発に引き続き活用させていただきます。


SDS-4運用体験の様子
 

SDS-4運用パブリックビューイング

「SDS-4運用体験イベント」は事前申込制かつ運用室が広くないため、参加できる方が非常に限られてしまいます。そこで今回は“S-6研究開発棟”の1階ロビーにて、誰でも運用を見学できるパブリックビューイングを設置し、できるだけ多くの方に衛星運用をご覧になっていただきました。

実際に衛星運用を行っている画面を見ながら、運用メンバーが解説を行い、その場で質問にも回答しました。

非常に多くの方に衛星運用を行っている様子を見ていただくことができました。


パブリックビューイングの様子
 

2013年5月23日

2013年5月18日に軌道上で1周年を迎え、全ミッションのエクストラサクセスを概ね達成しました。

その結果を踏まえ、これまでの開発・運用、軌道上実証の成果について、JAXA社内向けに成果報告会を開催しました。

FOXミッションについては、FHPが打上げ後1年を経過しても劣化等見られず、軌道上で安定動作することを確認しました。また、各パラメータを変化させて軌道上実験を行い、理論モデルの精度向上に必要なデータを取得、エクストラサクセスを一部達成しました。今後、ユニバーサルな理論モデルの構築に向けて、引き続き、研究を進める予定です。

IST、QCMミッションについても、順調に長期トレンド評価を実施中です。

SPAISEミッションについては、課題であった混信状況の評価、および将来AISシステムでの性能改善に向けた知見を得、エクストラサクセスを達成しました。引き続き、軌道上実験を継続していきます。
SPAISEミッションに関する詳細は、第一宇宙技術部門サイトをご覧ください。

バス実験については、各種の姿勢マヌーバ実験・地球指向実験に成功し、エクストラサクセスを達成しました。今後は、大学・関係機関と連携しての発展的な実験・軌道上評価を予定しております。


成果報告会の様子
 

2013年5月18日

無事に軌道上1周年を迎えることができました。

 

2013年4月20日

筑波宇宙センター 春の特別公開にて、「SDS-4運用管制官体験」イベントを実施しました。

「触れられる宇宙開発」を目指し、実際の衛星運用室で、実際に使用しているPCを操作し、衛星運用を肌で体験していただくことを目的として開催しました。

WEBでの事前申込み制とし、40人の募集枠に約400人の申込みをいただきました。

事後アンケートでは、94%の参加者が「期待以上だった」と回答。「宇宙開発が身近に感じられた」、「小型衛星に興味を持った」とのコメントをいただきました。また「ヒューマンエラーが起こりやすいシステムだと感じた」、「タッチパネル式の方が素早く操作できると感じた」などの改善提案も頂戴しました。これらは今後の運用システムの開発に活用させていただきます。


管制官体験の様子
 

2013年3月28日

一般社団法人 日本機械学会 宇宙工学部門 一般表彰スペースフロンティアをSDS-4開発チームが受賞しました。


授賞式の様子

トロフィー

表彰状
 

2013年3月22日

東京 一橋講堂で開催された「JAXA相乗り超小型衛星ワークショップ」にて、大学・産業界の小型衛星開発者向けに、SDS-4の開発・運用を通じて得られたレッスンズラーンドについて、発表を行いました。


SDS-4発表時の様子
 
 

定常フェーズ

2012年11月16日

定常フェーズ完了確認会を実施し、5ヶ月間の定常フェーズにおいて運用が適切に実施・評価されていることを確認。全ミッションのフルサクセスを達成しました。

FOXミッションについては、軌道上で想定通りの機能・性能を発揮していること、取得データより熱輸送量・熱伝導率を算出し、地上試験結果や解析による予測結果と良く一致していることを確認。QCMについても、軌道上での正常動作、打上げ直後からの一貫したデータ取得・トレンド評価を実施できています。

ISTミッションについては、既にエクストラサクセスまで到達しており、国際共同研究先であるCNES(フランス国立宇宙研究センター)チームから大きな賛辞・謝意を頂きました。また、SPAISEミッションについては、軌道上でAIS信号を受信しての衛星AISシステムの評価まで出来ており、将来の海洋関連ミッションを切り拓く、その礎を築く大きな成果が出ています。
SPAISEミッションに関する詳細は、第一宇宙技術部門サイトをご覧ください。

バス実験については、Micro Satellite級の小型衛星の標準バス技術を確立すべく、定常的に三軸姿勢制御で飛行し、WHLロストルク等の各種トレンド評価項目を含め、衛星バス系の機能・性能が良好であることを確認出来たと同時に、ミッションのフルサクセスを達成するための実験運用環境も、一貫して継続的に提供することが出来ました。また、予定していた姿勢マヌーバ実験・地球指向実験についても成功し、本成果を基として、後期利用フェーズでの、よりチャレンジングなミッション実験運用に資する予定です。

なお、11月16日~以降、後期利用フェーズに移行しています。


定常フェーズ完了確認会の様子

定常フェーズ完了確認会の終了後、フルサクセス達成記念(プロジェクトメンバーの笑顔と安堵)
 

2012年10月11日

JAXA業績表彰 理事長賞をSDS-4開発チームが受賞しました。


授賞式の様子

表彰状
 
 

定常フェーズ開始

定常フェーズでは、4週間を1クールと定義して、その中でSPAISEミッションを2週間、FOXミッションを1週間、バス実験を1週間実施しています。なお、ISTミッション、QCMミッションは、常時データ取得を続けています。
定常フェーズ期間中に計5クールの実験を行い、フルサクセス達成を目指します。


運用風景

SPAISE実験運用の様子(アンテナ展開成功時)

FOX実験運用の様子
 
 

初期フェーズ

2012年6月18日

定常フェーズ移行前確認会を実施し、定常フェーズに移行して良いことを確認しました。

 

2012年6月13日~17日

バスのチェックアウト運用を行いました。太陽電池のI-V特性の評価、搭載計算機のメモリパトロール機能の確認、姿勢決定精度向上のためのパラメータ変更などを行いました。

 
 

2012年6月12日

SPAISEミッションのチェックアウト運用を行いました。

 
 

2012年6月5日~8日

FOXミッションのチェックアウト運用を行いました。複数の熱負荷モードにおいて、平板型ヒートパイプが正常に動作することを確認しました。

 
 

2012年5月30日~6月4日

SPAISEミッションのチェックアウト運用をすすめており、AIS受信機の全てのモードが正常に動作することを確認しました。SPAISEミッションに関する詳しいことは、第一宇宙技術部門サイトをご覧ください。

 
 

2012年5月29日

Sバンド通信機のQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調による1Mbpsでのテレメトリ送信機能確認、及び、より精度の高い軌道決定のための通信機のコヒーレント機能確認を行いました。いずれも、正常に動作することを確認しました。

通信機機能 説明
QPSK
変調機能
テレメトリをQPSK変調し、1Mbpsでダウンリンクする機能。より大容量のデータを下ろすことができる。
コヒーレント
機能
アップリンクの搬送波周波数に対して一定の比率でダウンリンク搬送波周波数を生成する機能。
地上側でドップラー周波数を測定することにより、より高精度な軌道決定(2-wayドップラーによる軌道決定)が可能になる。
 

2012年5月24日~27日

搭載バス機器のチェックアウトを行いました。 また、IST(THERMEを用いた熱制御材実証実験)、QCM(水晶発振式微小天秤)の二つのミッション機器も正常にデータが取得できていることを確認しました。

 

2012年5月23日

SPAISE(衛星搭載船舶自動識別実験)ミッション用のアンテナ展開を行いました。 これにより、SDS-4は軌道上の最終形態となりました。
 

2012年5月21日~22日

太陽捕捉モード(Sun Acquisition Mode)から、太陽指向モード(Sun Pointing Mode)に移行しました。 太陽指向モードには、標準太陽指向モードと、高精度太陽指向モードがあり、いずれのモードも正常に動作することを確認しました。

姿勢制御モード 説明 主に使用する姿勢系機器
太陽捕捉モード
(SAM)
+X軸方向(太陽電池パネル面)を太陽に正対するよう制御するモード。
太陽センサ出力を直接フィードバックして姿勢制御を行う。また、X軸周りにスロースピンさせる。
  • 太陽センサ
  • ジャイロ
  • ホイール
標準太陽指向
モード(SPM‐C)
三軸姿勢決定を行い、衛星の+X軸を太陽方向、+Z軸を天の南極方向 に一致させるよう制御するモード。
センサ出力により衛星の三軸姿勢を決定し、姿勢制御を行う。目標とする太陽方向は現在時刻から算出する。
  • 太陽センサ
  • 磁気センサ
  • ジャイロ
  • ホイール
高精度太陽指向
モード(SPM‐F)
  • スタートラッカ
    (恒星センサ)
  • ジャイロ
  • ホイール

太陽指向モード時の衛星の姿勢とセンサ配置
 

打上げ・クリティカルフェーズ

クリティカルフェーズ

2012年5月21日 更新

小型実証衛星4型(SDS-4)は、2012年5月18日(金)1時39分(日本標準時)に、H-IIAロケット21号機により第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)と相乗りでH-IIAロケット21号機により打ち上げられました。
SDS-4はロケットから正常に分離され、その後、太陽電池パネルの展開を行いました。

 
モニタカメラで撮影した太陽電池パネルと地球
南米チリ上空
(画面左端に太陽電池パネル、画面左方向が北)

モニタカメラの視野
 
軌道投入後の衛星の姿勢
太陽電池パネルの展開後、正常に太陽捕捉モードに入り、太陽電池により電力が得られていることを確認しました。
現在の主要な衛星の状態は以下の通りです。

項目 運用データ 設計値(参考)
発生電力 約120W 95W以上
太陽捕捉精度(3σ)
(スロースピン時)
約0.61degree 2.28degree以下

5月20日にクリティカルフェーズ運用を終了し、初期フェーズへ移行しました。

プレスリリース:「小型実証衛星4型(SDS-4)のクリティカル運用の終了について」

 

打上げ

ポスター(JPG形式 768KB)
小型実証衛星4型(SDS-4)は、2012年5月18日(金)に、H-IIAロケット21号機により第一期水循環変動観測衛星(GCOM-W1)と相乗りで打ち上がりました。
打ち上げは、予定通り2012年5月18日(金)1時39分(日本時間)に行われました。

プレスリリース:「小型実証衛星4型(SDS-4)の飛行状況について」
 
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