搭載ミッション

搭載ミッション

SDS-4に搭載されるミッションは、以下の4つです。

  • 衛星搭載船舶自動識別実験(SPAISE)
  • 平板型ヒートパイプの軌道上性能評価(FOX)
  • THERMEを用いた熱制御材実証実験(IST)
  • 水晶発振式微小天秤(QCM)
 

衛星搭載船舶自動識別実験(SPAISE)

Space-based AIS (Automatic Identification System):

船舶局のAIS装置は、SOTDMAと呼ばれる時分割多重方式を用いて、自局の船名、MMSIコード、船種、船位、針路、速度、仕向地、積載物等を周辺船舶や陸上局に向け自動的に送信する。
このAIS信号を、衛星軌道上で取得することにより、全球における船舶の航行情報が得られる。

ミッションの目的:

衛星搭載用のAIS受信システムの機能性能の確認、及び、実データによる混信状況の評価を行い、将来システムの構成や受信性能向上のための知見を獲得する。

第一宇宙技術部門 「SPAISE 衛星搭載船舶自動識別システム(AIS)実験」


SPAISEによるAIS信号受信の概念図
 

平板型ヒートパイプの軌道上性能評価(FOX)

平板型ヒートパイプ(FHP)を用いて軌道上の特性評価を行い、地上試験や理論モデルとの比較評価を行うことで、FHPの実用化に向けたデータ取得を実施する。


図 平板型ヒートパイプ(研究開発部門 第二研究ユニット開発品)
 

図 実証コンポーネントの構成(MLI無し)

図 FOX FM
 

THERMEを用いた熱制御材実証実験(IST)

熱制御材の重要な特性である太陽光吸収率(αs)の軌道上劣化データをCNES開発品「THERME」を用いて温度データを測定することによって取得する。


図 THERMEの構成

図 THERME FM
 
実験サンプル名 概要
シロキサン変性PIフィルム 母材改質型の耐AO性PIフィルムであり、低高度で長期間運用される宇宙機、超低高度衛星等への適用が期待される。
UV遮蔽コーティング/
シロキサン変性PIフィルム
UV遮蔽コーティングを施したサンプル用いた実験を行うことにより、宇宙機向け実用性能が得られることを確認する。
 

水晶発振式微小天秤(QCM)

国産、安価で搭載性の良いQCMの軌道上での作動実績を得る。

将来的な展望



  • 宇宙機コンタミ管理
    • 衛星組み立て・輸送・射点作業・軌道運用のすべてのフェーズでの一貫したコンタミ計測
  • その他のアプリケーション・将来展望
    • 低軌道における原子状酸素環境計測
    • 化学推進、電気推進のプルームによる汚染環境計測
    • 小天体探査におけるサンプリング機構周辺のコンタミ管理とサンプル付着検知
    • 月・惑星探査ロボットなどに堆積するダストのモニター
    • 温度制御機能の付加により、いっそう高度な汚染物分析機能を持たせたTQCMの開発
 
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