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宇宙太陽光発電システム(SSPS)の研究開発の進め方についての
委員会提言

外部有識者委員会(SSPS事業性検討委員会/SSPSシステム検討委員会)

「宇宙に浮かぶ発電所」と表現されるSSPSですが、その実現のためには、現在と全く異なる低コスト・完全再使用型の大規模宇宙輸送システムや、宇宙においてkmサイズの宇宙機の無人での組立技術等が必要となるなど、「発電所」としての存在を超えて、宇宙技術を中心とした関連する様々な技術分野の革新が求められます。

また、それらの技術革新を実現するための研究開発には、長い期間に渡り、大きなリソースの投入が必要となるため、その「SSPSの研究開発を進めること」そのものがチャレンジングな取り組みとなります。

上記に述べた観点から、社会、経済、およびその将来の変化等も含めた広い視点のもとでSSPSに相応しい研究開発の進め方を検討する必要があると考え、JAXAは、2013年度からSSPS事業性検討委員会、2014年度からSSPSシステム検討委員会という2つの外部有識者委員会を開催し、活発な議論をいただきながら検討を重ねてきました。


SSPS事業性/システム検討委員会 設置イメージ
SSPS事業性/システム検討委員会 設置イメージ


両委員会からの提言(骨子)

  • SSPSには、難易度の高い多くの技術課題が存在している。
  • 2030年代に1GW級の実現を目指すとした2010年の研究開発ロードマップは、見直しが必要である。
  • SSPSを取り巻く、エネルギー・環境、およびそれに関わる社会・経済の状況が、2010年代以降、大きく変化しつつある。また、今後も、さまざまな状況の変化が起こり得る。
  • これらの状況を総合的に捉え、SSPSの実現を目指して、JAXAが取り組むことの意義・価値について以下の3つに整理した。
    ■ 無線エネルギー伝送技術/宇宙技術の発展等への貢献(近い将来を想定)
    ■ 地球規模のエネルギー安全保障/電力システム安定化への貢献(数十年先を想定)
    ■ 二酸化炭素排出量削減への貢献(50~100年先を想定)

JAXAにおけるSSPSの研究開発の取り組み方針を、以下のように提案する。

  • SSPSの実現を目指すためには、その長期的な取り組みの途上で、研究開発成果を早期に社会に還元させながら前進していくことが、重要かつ不可欠。
  • それらは、SSPSを構成する要素技術のうち、特に中核的な技術が適切に組み合わされている必要がある。
  • SSPS要素技術が社会還元されることで、民間企業を含めた技術開発への幅広い投資・リソースの投入・プレーヤー増大を推進する。それらにより、技術の進歩のさらなる加速、及び社会全体としてのイノベーションの推進と価値の創出へとつなげる。
  • このような総合的な取り組みを続けることで、社会全体としてのSSPSに対する期待感と受容性を醸成させつつ、最終的にSSPSの実現へつなげていく。

研究開発成果の早期社会還元の候補として、委員会で有望なものを4件選定した。
① 回転翼無人機への無線エネルギー伝送(レーザー無線エネルギー伝送技術)
② 月面探査ローバーへの無線エネルギー伝送(レーザー無線エネルギー伝送技術)
③ 成層圏滞空型無人機への無線エネルギー伝送(マイクロ波無線エネルギー伝送技術)
④ 静止降水レーダ用大型フェーズドアレイアンテナの構築(大型宇宙構造物構築技術)


JAXAは、SSPS技術研究・技術開発と研究開発成果の社会還元とを併行して実施・推進していくべきである。また、新たな社会還元候補を見出すための活動も継続して実施するべきである。


SSPSの研究開発の取り組み イメージ図
SSPSの研究開発の取り組み イメージ図


両委員会での議論について

両委員会からのSSPS研究開発の進め方についての提言は、委員会における、SSPSに関わる様々な情報提供や、議論、意見交換等を下敷きにまとめられたものです。委員会でおこなわれた議論のうち、いくつかをご紹介します。

1.SSPS概念設計(2000年代)の内容と技術課題について

2.SSPS研究開発ロードマップ(2010年)とその後の状況について

3.SSPSを取り巻く社会状況の変化について

4.SSPSの実現を目指すことの意義・価値について

5.長期の研究開発を経て、社会への実装を目指す事業例

6.SSPSの研究開発の進め方について

7.宇宙輸送コストの低減トレンドとSSPS実現時期(想定)

8.SSPSの中核技術について

9.SSPS研究開発成果の早期社会還元候補について