研究紹介

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研究紹介

研究開発部門の研究は、大きく次のような方針に基づき構成されます。

  1. 将来を展望し、柱とする技術にJAXAが戦略的、組織横断的に取り組む研究を「先導する研究」と位置付け、研究開発部門が中核となってその研究を推進します。
  2. JAXAが進めるプロジェクトの課題解決を担い、我が国の宇宙航空産業の競争力に不可欠な共通・基盤的な技術の強化に貢献する研究を「支える研究」として推進します。
  3. 広く日本の優れた知恵や技術と連携することで宇宙利用の促進を図るための宇宙実証機会を広く提供する研究開発活動を進めます。

これらを互いに密接に関連付けることで、シナジー効果による付加価値の高い成果を効率的に生み出します。

 

宇宙輸送システムの競争力強化

LE-9用噴射器試験

宇宙輸送システムについて、性能・信頼性・安全性の向上、低コスト化など各種の研究を進めることで、我が国の自立的な打ち上げ能力の拡大、および打ち上げサービスの国際競争力の強化に資することを目的としています。
現行の基幹ロケットであるH-IIA/Bやイプシロン、および開発を進めているH3やイプシロン後継機に使用される共通基盤技術、ならびに我が国が強みを有するLNG(Liquefied Natural Gas 液化天然ガス)推進系や次世代に向けた再使用型宇宙輸送システムなどの研究を継続して行います。

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オール電化衛星時代の通信衛星の競争力強化

ホールスラスタ

通信衛星の競争力強化においては、コストへの影響が大きい衛星質量の減とトランスポンダ(電波中継機器)搭載数の増、の2つが鍵となります。
従来の化学推進衛星は、ペイロード比率(ペイロード質量/打上質量)が20%程度に対し、オール電化衛星は推進系を全てホールスラスタのみで実現し、さらに電源の軽量化、排熱技術の高度化することで、衛星質量増加を抑え、ペイロード比率40%程度の実現を目指します。加えて衛星運用の自動化も行うことで、コストを低減し、競争力強化を図ります。

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宇宙活動の安全確保

デブリ除去衛星による大型デブリの捕獲

軌道上の宇宙ゴミ(スペースデブリ、またはデブリ)は、年々増加の一途をたどっており、将来的には人類の宇宙活動の妨げになると予想されます。
JAXAは、「脅威となるデブリの除去」、「デブリを生まないクリーンな衛星、ロケットの実現」 などを目指す、クリーン・スペースプログラムを、我が国の国際貢献策として提唱すべく、政府、内外の関係機関との連携検討を進めるとともに、その実現に向けた技術の研究開発に取り組んでいます。

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宇宙探査技術の研究

月南極探査ミッションの概念図

日本が宇宙探査において持続的に世界の最先端であり、また将来の月・火星への有人探査などの国際協働探査ミッションにおいて主導的な地位を確保するためには、その成功を支える探査技術の基盤強化が必要不可欠です。
本研究では、日本の強みを伸ばし、近い将来の宇宙探査ミッションを先導するための研究開発を行っています。

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宇宙用部品の研究

宇宙用MPU

宇宙で人工衛星が長期間安定的に動作するためには、宇宙環境に耐える部品(宇宙用部品)が必要です。人工衛星開発に不可欠な宇宙用部品の研究開発を進め、自在な宇宙活動を継続できる能力を維持するとともに、将来の人工衛星の競争力強化をねらいます。
宇宙用部品の研究開発にあたっては長期的視点にたち、有望な国内技術を研究機関、民間企業との協力の下に発掘し、将来の衛星システムを効果的に刷新すると考えられる部品を優先的に研究開発し、研究成果の還元を早期に実現することを目指します。

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衛星技術刷新

合成開口レーダ衛星の観測性能とデータレート

人工衛星の国際競争力を高めることを目指し、技術刷新につながる革新的なテーマの研究を行っています。
ワイヤレス化の研究は、衛星内の搭載装置間のデータ通信および電力伝送の配線をワイヤレス化し、新しい衛星設計・試験プロセスを具体化するものです。これらを実現する要素技術の確立を経て、衛星システム設計の最適化、汎用性を追求します。
合成開口レーダの研究は、ふよう1号(JERS-1)、だいち(ALOS)、だいち2号(ALOS-2)と着実に進歩してきた合成開口レーダの性能を継続し、肥大化する観測データを衛星上で利用目的に応じて集約・処理する技術を確立し、革新的な衛星システムを提案します。

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宇宙システムの概念検討およびシステム技術の研究

概念検討の実績

ロケットや人工衛星は、たくさんの部品の組み立てだけでなく、地上設備なども含め様々な要素を複雑に組み合わせることで、宇宙システムとして求められる機能を発揮します。本研究では、このような要素の適切な構成を検討し、全体としてより優れた仕組みとなる宇宙システムを作り出すことを目指しています。
また、内外の各組織と連携し、システムレベルの概念検討を行うことにより、我が国の知恵・技術を統合して国際競争力のある技術開発、社会課題解決、また、将来の産業育成につながるプロジェクト提案を行ってゆきます。

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光衛星通信技術の研究

宇宙光通信が創る高速宇宙通信ネットワーク

地球観測衛星からの取得データ伝送速度の向上、データ量の増大を目的として、光データ中継システム(JDRS* )の開発が始まっています。
本研究は、多様なユーザが光データ中継サービスを利用可能とし、観測衛星等の低軌道衛星の意義価値向上を実現するため、光通信機器の小型・軽量化を目指すものです。
ユーザ伝送レートをJDRSの1.8Gbpsの2~4倍に高速化する高効率・高出力光増幅器、さらに将来的には、宇宙探査においてデータ伝送量の向上(月探査データの伝送時には700Mbps以上)の実現を目指しています。

*JDRS(Japanese Data Relay System):光データ中継システム

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宇宙機電気系技術研究

宇宙機(人工衛星等)の基幹技術のうち、電気系が主要な要素となる基盤技術の研究を行い、将来のミッション実現に必要な新規課題の研究開発を行うとともに、現在進行中のプロジェクトの一層確実な遂行を目指しています。
宇宙機システムの高性能化のため、人工衛星の姿勢制御技術、データ伝送、太陽電池の高性能化などの研究、また、宇宙機を開発する上で必要となる宇宙環境の基礎的なデータを取得するために宇宙環境計測実験を実施し、環境データや宇宙用材料の劣化などの研究を行っています。

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宇宙機機械系技術研究

宇宙機(人工衛星等)の基幹技術のうち、機械系が主要な要素となる基盤技術の研究を行い、将来のミッション実現に必要な新規課題の研究開発を行うとともに、現在進行中のプロジェクトの一層確実な遂行を目指しています。
宇宙機システムの軽量、長寿命化、高性能化や衛星ミッションに優しい環境を実現するため、二液式スラスタや電気推進の高度化の研究、微小変形抑制や擾乱抑制等の研究、機械環境緩和技術、極限環境対応潤滑技術、冷却技術などの研究を行っています。
また、有人探査における生命維持技術としてCO2分離などの研究、無人探査に必要となるローバーの研究を行い、将来的なミッション実現を目指しています。

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長寿命化技術の研究

リチウムイオン電池

宇宙機を長寿命化、言い換えれば、長期間運用できるようにするためには、宇宙用コンポーネントや部品が劣化しないこと、壊れないこと(信頼性を高め、耐久性を持たせること)が必要になります。
本研究では、低軌道衛星の寿命を現状の7年から12年へ長寿命化するために、電源系バッテリの耐久性向上、姿勢制御系機器の高信頼性化、機構部品の長寿命化などに関する技術の確立を目指しています。

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ソフトウェア・解析検証技術の研究

ロケットの数値シミュレーション結果例

本研究は、世界最高レベルの情報・計算工学技術の研究・開発・利用により、ミッション成功と開発・コスト低減を両立させるエンジニアリングを確立することを目標としています。
このエンジニアリングの確立により、現状では実現不可能な開発期間・コスト規模となるミッションを適切な規模で実現可能とします。
最初のステップとして、新型ロケットH3の確実かつ効率的な実現に関わる作業を優先し、これと並行して、将来衛星や再使用輸送系等に向けた研究や、保有技術によるプロジェクト支援を行います。

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観測センサの研究

ISS搭載植生ライダー(MOLI)

地球観測センサシステムは、使用する電磁波の領域(光/電波)および観測方式により、種類が多岐にわたります。
本研究では、JAXAにおける網羅的なセンサシステム設計技術の蓄積を踏まえ、10~20年後を見据えて、必要な要素レベルの技術研究、センサシステムの研究と、そのセンサシステムを利用したミッションをJAXA内外と協力して検討しています。
そして、研究成果を今後の地球観測ミッションとして実現していくことを最終的な目標としています。

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HTV搭載導電性テザーの実証実験(KITE*

電流駆動特性取得(イメージ)

軌道上の宇宙ゴミ(スペースデブリ、またはデブリ)の衝突による軌道上環境悪化を防止するためには、現在軌道上に存在している大型デブリの除去が有効です。
デブリ除去を低コストに実現するためのキー要素技術であるデオービット(軌道離脱)用高効率推進系として、導電性テザーシステムが有望と考えられています。
本研究では、「こうのとり」(HTV)を利用したテザー伸展と電流駆動の軌道上実証を行います。

*KITE:Kounotori Integrated Tether Experiments

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SOI-ASICの開発

本研究は、耐放射線性ASIC技術を獲得することにより、複数のMPU*1 やRAM*2 を搭載している回路を高機能1チップLSIに集約し、衛星の小型、軽量、低消費電力化を実現するためのものです。
本SOI-ASICにより、探査機、フォーメーションフライト、小型衛星、大型利用衛星に必要な機能・性能・信頼性を、限られたリソースに対応して自由自在に選択することができます。
現在、宇宙環境での耐性向上と将来の安定的供給を目指した研究を行っています。

*1 MPU (Microprocessor Unit):コンピュータの演算機能を担う半導体チップ
*2 RAM (Random Access Memory):記録内容を自由に読み書きすることができるメモリ

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宇宙太陽光発電システム(SSPS)の研究

SSPS(イメージ)

宇宙太陽光発電システム(SSPS: Space Solar Power Systems)とは、宇宙空間において、太陽光エネルギーをマイクロ波またはレーザー光に変換して地球に伝送し、電力として利用するシステムであり、エネルギー、気候変動、環境等の人類が直面する地球規模の課題解決の可能性を秘めています。
このようなシステムを実現するため、マイクロ波やレーザー光による無線エネルギー伝送技術、宇宙空間における大型構造物の構築技術等に関する研究を実施するとともに、長期にわたる研究開発の進め方の検討を含めた総合的なシステム検討を行います。

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革新的衛星技術実証プログラム

革新実証衛星の構想図

本プログラムでは、民間企業・大学等による超小型の人工衛星を活用した新たな知見の獲得・蓄積、将来ミッション・プロジェクトの創出、宇宙システムの基幹的部品や新規要素技術の軌道上実証実験などのための機会を提供しています。
本プログラムは、宇宙基本計画上の「宇宙システムの基幹的部品等の安定供給に向けた環境整備」の一環として、超小型の人工衛星を活用した基幹的部品や新規要素技術の軌道上実証を適時かつ安価に実施するものです。
平成30年度を目標にイプシロンロケットを用いて機会を提供すること、また、定期的に実証機会を提供することを目標に活動をしています。

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