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「革新的衛星技術実証2号機のテーマ公募」選定結果について
(2018年12月)

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、宇宙基本計画で示された「宇宙システムの基幹的部品等の安定供給に向けた環境整備」の一環として、 超小型衛星を活用した基幹的部品や新規要素技術の軌道上実証を適時かつ安価に実施することを目的に「革新的衛星技術実証プログラム」を進めています。
このたび、「革新的衛星技術実証2号機」に搭載する実証テーマを募集し、応募のあった33テーマの中から以下の観点により実証テーマ(計15件)を選定いたしましたのでお知らせいたします。

  • ミッションの意義・価値(衛星技術/競争力向上、イノベーション創出、宇宙産業活性化に資する可能性等)
  • 技術的実現性(インタフェース要求、安全要求等への適合性、開発実現性等)

審査は、JAXA社内で応募者資格要件ならびに技術的実現性の確認を行った上で、外部有識者で構成される選定評価委員会を開催し、主にミッションの意義・価値の観点から評価を受け、選定を行いました。

選定テーマの中には、JAXAが製作する小型実証衛星に搭載して実証を行うもの(部品およびコンポーネント)、応募者が製作する50kg級の超小型衛星、キューブサットがそれぞれ含まれています。

今後、打上げに向けて、必要な取決めの締結、技術調整、安全審査等の準備を進めてまいります。

なお、今後の設計進捗により、搭載リソースの余剰が確保できた場合には、実証テーマを追加する可能性があります。


採択案件

区分 テーマ名称 提案代表者
/所属機関
主な選定理由
部品 ソニー製小型・低消費電力マイコンボード「SPRESENSE(TM)」の耐宇宙環境性能評価 太田 義則
ソニーセミコンダクタソリューションズ
小型・省電力かつ計算能力の高いマイコンボードであり、宇宙で放射線耐性等が実証されれば、宇宙機への高度な自律制御機能やAIの付与など幅広い活用が見込め、 実用化が進む小型衛星の能力向上による競争力と利用可能性の拡大も期待される。
コンポーネント クローズドループ式光ファイバジャイロの軌道上実証 水上 慎太郎
多摩川精機株式会社
超小型衛星に搭載可能な低価格で高性能な国産光ファイバジャイロの提案であり、既存の海外製品と比べて、半分以下の価格での提供が見込め、仕様の柔軟性や入手性の良さから高い国際競争力が期待できる。宇宙実証により耐放射線性を確認し、稼働実績を積む意義は高い。
CubeSat用小型・安価な国産スタートラッカーの商用化に向けた宇宙実証 工藤 裕
株式会社天の技
小型(1/4Uサイズ)かつ低消費電力(1W以下)なキューブサット用姿勢基準装置、スタートラッカー。キューブサット用として国産初、市場最安レベルを狙っており、実証を経て製品化されればキューブサットの機能向上にもつながる。
民生用大容量リチウムイオンバッテリのセル(又はバッテリ) 石井 博之、岡 寿久
三菱電機株式会社
民生用リチウムイオンバッテリの宇宙適用技術の実証により国際競争力向上を目指すものであり、民生バッテリセルを用いた宇宙用バッテリの実現性を実証できれば、小型衛星の低コスト化が進み、新たな宇宙利用の拡大につながる。
3Dプリンタで製作する廉価版アンテナ(テレメトリ・コマンド受信用)の軌道上評価 石井 博之、望月 恭介
三菱電機株式会社
アンテナの造形を3Dプリンタ技術で行うものであり、アンテナ開発の大幅な期間短縮と低価格化が期待できる。本取り組みは衛星開発の担い手を広げることにもつながり、世界的にも競争が激しく、遅れを取ることなく早期に実施することが望まれる。
軽量・無電力型高機能熱制御デバイスの軌道上実証 永井 大樹
東北大学
フレキシブル展開ラジエータ、高熱伝導サーマルストラップ、流体式サーマルストラップを組み合わせた軽量で低価格な熱制御デバイスの実証であり、特に小型衛星で今後問題となる、機能性能向上に伴う熱の問題を解決する技術として実用化が期待できる。
低毒推進系の軌道上作動実証 池田 博英
JAXA
ヒドラジンを用いない低毒・安全な推進系に関する提案であり、安全面等で推進系を持てなかった大学やベンチャー衛星のミッションの幅を広げ、新規参入の敷居を下げる。低価格と短納期を実現すれば、高い市場競争力を持つ小型衛星用推進系になると期待。
冗長MEMS IMU(MARIN)の軌道上放射線環境での飛行実証 松本 秀一
JAXA
MEMS(微小電気機械システム)技術を用いたジャイロと加速度計を組み合わせた装置で、FOG(光ファイバジャイロ)に匹敵する性能を小型軽量かつ低価格で実現。宇宙実証で実用性が示されれば、ロケットや小型衛星に広く使われることが期待される。
超小型衛生 超小型衛星による可変形状機能を用いた姿勢制御の軌道上実証 松永 三郎
東京工業大学
太陽電池パネルなど、衛星の形状そのものを変化させることで高速な姿勢変更を実現するこれまでに例のない技術の実証であり、今後新たなビジネス・利用を創出する可能性がある。
超小型衛星による複数波長帯での革新的赤外線画像処理技術の実証 坪井 正徳
三菱重工業株式会社
近赤外線センサと遠赤外線センサの観測を同時に行い熱源や温度分布を検知するミッションであり、小型衛星群による宇宙からのインフラ監視、防災等への応用が今後期待される。
デブリ除去事業に活用するデブリ接近技術及びデブリ捕獲機構の実証 丸山 辰也
川崎重工業株式会社
小型衛星を用いて宇宙デブリへの接近と捕獲の技術実証を行うミッションで、実証によりデブリ除去の実用化が加速し、日本の優位性の確保が期待できる。また衛星への燃料補給など軌道上サービスにもつながる技術であり、新たなビジネス創出も期待できる。
キューブサット キューブサットによる宇宙塵・スペースデブリ観測を目指した膜型ダストセンサおよび国産キューブサットバスシステムの軌道上実証 松井 孝典
千葉工業大学
展開型の膜面を宇宙空間でのダスト計測センサに活用するとともにキューブサットのバス技術の実証を行う計画で、膜展開やダスト計測は軌道上でしか検証できないため、実証意義が高い。膜型ダストセンサは新たな観測分野として市場創出も期待できる。
1Uキューブサットによる機上突発天体速報システムの実証実験 坂本 貴紀
青山学院大学
イリジウムなど既存の通信衛星ネットワークを利用し、衛星から地上へのリアルタイム伝送を行う発想は実用的で事業性も高い。超小型衛星の新しい利用法を生むことが期待できる。
高機能CubeSat用OBCの軌道上実証 谷本 和夫
明星電気株式会社
キューブサット用のオンボードコンピュータ(OBC)として160MIPSクラスの車載用CPUを用い低価格と信頼性の両立を狙ったテーマである。なお、製品化によりキューブサットの高性能化、利用の拡大が海外受注も含め期待できる。
2Uキューブサットによる超高精度姿勢制御・超小型LinuxマイコンボードによるOBC・木星電波アンテナ展開技術の実証 今井 一雅
高知工業高等専門学校
市販の超小型Linuxマイコンボードを衛星に利用する提案であり、小型衛星開発の活性化につながると期待。独自のアンテナ展開機構は技術的にも面白い。また、宇宙に高専という新しいプレイヤーが参画することによる裾野拡大と教育・人材育成にも期待。

(参考) 革新的衛星技術実証2号機 選定評価委員会の構成 (順不同)

委員 日本科学技術ジャーナリスト会議副会長 室山 哲也
委員 東京大学工学系研究科教授 中須賀 真一
委員 東京大学工学系研究科教授 岩崎 晃
委員 東京都市大学准教授 三宅 弘晃
委員 名古屋大学大学院工学研究科教授 長野 方星
委員 シー・エス・ピージャパン社長 金山 秀樹
委員 日本航空宇宙工業会常任理事 山北 和之